「老いと寿のはざまで ―人生百年の健やかを考えるヒント―」を発売


著者名:森望
ジャンル:老化
発売日:2023/5/30
販売ページ:Amazon

書籍概要

いま日本は超高齢化社会とも人生百年時代ともいわれる。アンチエイジング、脳トレ、健康食、サプリメント。書店には数々の健康指南書に加えて、老化研究の解説書も多い。中には「老化は病気である」とするものもある。しかし、老化は病気ではない。老化が病気であれば、すべての老人が病人になってしまう。決してそうではない。サーチュインやラパマイシンだけで老化を克服できるわけではないし、それだけで老化のすべてが見通せるわけでもない。いかに長寿化サプリを追いかけても、老いの幸せは別のところにある。
健康長寿を願うのはいい。しかし、目先のアンチエイジングに翻弄されずに、人生を大きくとらえて、身体の健康だけでなく、意識や脳の健康も含めて、人生百年時代の老いの幸せを「自分の頭で」考えてみよう。本書には、こうすれば老いは防げるとか、こうすれば長寿になるとか、ある意味では短絡的な結論はない。しかし、最新の老化研究をベースにしながらも、その詳細には立ち入らず、健康を身体面だけでなく、脳を含めた精神性や人生を俯瞰した大きな捉え方をする中で、脳内思考を一歩深める、自分で自分の脳を活性化する、そんな「考えるヒント」は満載である。
著者はすでに定年を迎え、古希も近い。若い時から老化研究者だったが、それがいつのまにか真の老化研究者になった。そして、老化脳研究を続けてきた脳が、いま完全に老化脳になっている。これは人生百年の健やかを探る、老化脳による老化脳のための至極のエッセイ集である。

著者紹介

森望(もりのぞむ)
福岡国際医療福祉大学教授、長崎大学名誉教授
昭和28年生まれ。東京大学薬学部卒。薬学博士。米国シティーオブホープ研究所、カリフォルニア工科大学から、南カリフォルニア大学アンドラス老年学研究所助教授、JSTさきがけ「遺伝と変化」領域研究者、国立長寿医療研究センター 分子遺伝学研究部長、長崎大学医学部・第一解剖・教授、同大学附属図書館長、日本基礎老化学会理事、日本老年学会理事などを歴任。専門は脳科学、神経老年学
主要著書:
『寿命遺伝子』(講談社ブルーバックス)、『明治の長崎撮影紀行』(長崎文献社)、翻訳書に『オラ ンダ絵画にみる解剖学:阿蘭陀外科医の源流をたどる』(東京大学出版 会 )、『老いと健康の文化史:西洋式養生訓のあゆみ』(原書房)、編著書に『Aging Mechanisms: Longevity, Metabolism, and Brain Aging}(Springer)など。日本翻訳家協会「翻訳特別賞」 (2021)を受賞。
公開エッセイ:
長寿科学振興財団:健康長寿ネット(エッセイ)「老いの科学・長寿への道」
https://www.tyojyu.or.jp/net/essay/index.html
日本市民スポーツ連盟  コラム「シンボウ先生(森望)の老いの科学・長寿への道」
http://ivv-jva.com/shimbo.html
日本解剖学会  (解剖学ひろば)「幕末志士たちの解剖学講義」
https://www.anatomy.or.jp/hiroba/