ビジネス書に適した本のサイズ(判型)

売られているビジネス書にはさまざまなサイズ(判型)があります。本の文字数や図版の数などによって適切な本のサイズを選ぶことが大切です。本記事ではビジネス書を作る際に最適な本のサイズ(判型)や選び方について紹介します。これからビジネス書を作る際の参考にしてください。

本のサイズ、判型

本のサイズのことを判型と呼びます。判型とは「はんがた」あるいは「はんけい」と呼ばれる言葉で、書籍や雑誌、新聞、印刷物の仕上がりのサイズのことです。本の判型は、厚みを除いて短辺と長辺の寸法によって規定されています。

本の判型にはA判やB判など多くの種類が存在しています。A判にはA0判からA6判まであり、数字が大きくなるほど寸法が小さくなるのが特徴です。B判にはB0判からB6判、さらに小B6判があります。上記以外には、四六判や菊判、国際判、八折り判といった種類もあります。

同じ判型の中でも別称がいくつもあるケースがあるため注意しましょう。たとえば、A6判は「105x148mm」や「文庫判」といった別称があります。

ビジネス書に適したサイズ

ビジネス書に適している本のサイズを紹介します。

最も多い四六判

ビジネス書の中でも最も多く採用されているのが四六判(しろくはん・しろくばん)です。四六判のサイズや文字数・行数の目安を以下にまとめました。

四六判サイズ、文字数・行数
四六判のサイズ128×188
縦書き時の文字数・行数40字×15行(文字サイズ10pt)
横書き時の文字数・行数26字×23行(文字サイズ10pt)

四六判はビジネス書や実用書、文芸書などに幅広く用いられるサイズです。商業出版される単行本の多くが四六判を採用しています。標準的なサイズ感であり、大きすぎず小さすぎずちょうどいいという人が多いです。特に横組みの文字が読みやすいとされています。

四六判の書籍で、「127mm×188mm」もよく見かけます。短辺が1mm短いこちらも四六判と呼び、どちらが正しいといったことではなく、出版社ごとに1mmの違いがあったりすると理解しましょう。

やや蛇足ですが、「130mm×188mm」の四六判用紙も同じ「四六判」と言いますが、一般的に紙業での四六判であり、出版での四六判では「130mm×188mm」サイズを指すことは稀です。

文字数の多い書籍はA5判

ビジネス書で文字数が多くなる場合にはA5判が選ばれるケースが多いです。A5判のサイズや文字数・行数などを以下にまとめました。

A5判サイズ、文字数・行数
A5判のサイズ148×210
縦書き時の文字数・行数45字×18行(文字サイズ10pt)
横書き時の文字数・行数32字×29行(文字サイズ10pt)

コピー用紙でよく見るA4を半分に折ったサイズがA5判です。

A5判は四六判と比較すると縦書きの場合でも横書きの場合でも文字数・行数が増えるのが特徴です。1ページあたりでより多くの文字数を印刷できるため、文字数が多い書籍に適しています。

一般的な教科書の判型はA5判です。文芸誌やガイドブック、ビジネス書などでもA5判のものはたくさんあります。(小中学校の教科書はB5判が多いため、高校の教科書をイメージいただくと良いと思います。)

A判用紙は流通量も多く、無駄なく印刷・加工ができることから四六判と比較し、さほど紙代は変わらず、多くの文字量を印刷できるため、コスト面で優れた判型と言えるでしょう。

B6判

B6判は、いわゆる単行本と呼ばれている本の判型です。B6判の本のサイズや文字数・行数を以下にまとめました。

B6判サイズ、文字数・行数
B6判のサイズ128×182
縦書き時の文字数・行数40字×15行(文字サイズ10pt)
横書き時の文字数・行数26字×23行(文字サイズ10pt)

B6判は漫画の単行本でよく採用されるサイズです。イラストが多いものについては文庫判よりもB6判の方が適しています。ただし、四六判と比較するとB6判は高さが若干小さいです。

ビジネス書の製本

ビジネス書にはどのような製本方法が採用されているのか紹介します。

並製本(ソフトカバー)

多くのビジネス書は並製本(ソフトカバー)です。表紙に薄くて柔らかい紙が採用されています。ビジネス書から実用書、漫画、雑誌、文庫本など幅広いタイプの書籍で使われているのが並製本(ソフトカバー)です。

並製本(ソフトカバー)のメリットは上製本(ハードカバー)と比較して製本価格が安くなっています。また、並製本(ソフトカバー)は表紙が軽くなるため、持ち運びに便利です。

上製本(ハードカバー)

ビジネス書に上製本(ハードカバー)が使われるケースがあります。上製本(ハードカバー)はボール紙を表紙紙でくるみます。このため、固くて分厚い表紙に完成します。

表紙と本文用紙を比べた際に、表紙が一回り大きくなるのが特徴です。

(お手元に上製本の書籍があれば、見てください。本文用紙と表紙のサイズが1.5mmほど違うかと思います。この1.5mm部分を「チリ」と呼びます。本文用紙のサイズが四六判であっても、書籍としての完成サイズはチリ分だけ一回り大きくなるため、本棚に並べると3mmほど背が高くなります。)

上製本(ハードカバー)は、しっかりとした表紙を整えられるため、高級感があります。また、頑丈なボール紙を採用するため、書籍の耐久性が上がるのも特徴です。ただし、本体の価格が高くなってしまいます。

(ボール紙代がかかるため、当然コストが上がることと、製本の工程もボール紙を糊付けし接着する工程や巻き上げる工程が増えるため、制作コストも上がります。)

ビジネス書の判型の選び方

ビジネス書を作る際の判型の選び方について紹介します。

選び方の基本

ビジネス書を作成する際には特別な理由がなければ四六判を選ぶのが基本です。世の中のビジネス書の7~8割は四六判を採用しています。そのため、本屋のビジネス書の棚も四六判の本を並べられるようにあわせているのが特徴です。極端なサイズを選んでしまうと書店で陳列しづらくなる点に注意しましょう。四六判を選べば読者にとっても馴染みのあるサイズであり、ビジネス書を手に取ってもらいやすくなります。

他サイズを選ぶ理由

たとえば、文字数が多い、あるいは図版が多いといったケースでは読みやすさを重視して大きなサイズを選ぶと良いでしょう。A5判であれば四六判よりもサイズが大きく、文字や図版が多くても読みやすくなります。

また、文字数が少ない場合には組版を工夫して四六判が選ばれることが多いですが、新書サイズにするというケースも稀にあります。新書サイズの場合は価格が安くなる点がメリットです。(逆の視点で言えば、新書棚で売れる見込みがたつかや、それだけの部数が売れるかを意識しましょう。サイズの小さい書籍ほど、薄利多売が求められます。)

ムック本のような作りのビジネス書であれば、A4やB5など雑誌サイズが適しています。

まとめ

ビジネス書は四六判が基本であり、場合によってはその他のサイズが選ばれることもあります。さまざまなサイズ(判型)の違いを理解した上で最適なサイズを選びましょう。