商業出版の印税は何%?様々な印税収入のケースも合わせてご紹介!

「本を商業出版しようと考えているが、印税のしくみに関して理解していない。」
「そもそも印税の相場でどれくらいなのか?」

本を商業出版するという予定がありながらも、
印税に関しての詳細な情報を持ち合わせていないという方も多いのではないでしょうか?

また、将来自分の書いた本を商業出版したいので、今のうちから印税の仕組みをある程度理解しておきたいという方もいらっしゃるかと思います。

そのような方々に向けて、今回は商業出版の印税は何%なのかという疑問にお答えしていきたいと思います。

そして、付随する出版関係の用語(初版や重版、刷り部数、実売部数)の解説や印税の様々なケースも合わせて紹介していきたいと思います。

商業出版の印税はどのくらいか?

一般的に、初版の場合の印税率は0%、2~13%と幅広いです。
著者の世間における認知度やその本自体のジャンルや内容、そして出版社によってある程度の開きがあります。
最近の傾向としては5~8%と設定されるケースが多いです。また、重版された時に印税率が上がることも多いのが実情です。

基本的に印税というのは以下のように計算可能です。

「印税=本の価格×部数(発行部数あるいは実売部数)×印税率」

例えば印税率が5%の場合、1200円の本が10冊売れたら、

1200円×10部×5%=600円が印税として著者の元に入ってきます。

次の章では初版印税や重版印税に関して解説していきます。

初版印税、重版印税とは?

初版とは文字通り、出版される本の最初の版のことを指します。
従って初版印税とは、出版された本の最初の版の部数に応じて生じる印税です。

一方で重版とは一度出版した本を再度出版することを指します。
従って重版印税とは、再度出版された本の部数に応じて生じる印税です。

ここで一つ疑問が生じるかもしれません。

刷られた部数に対して印税が生じるのか、あるいは売れた部数に対して印税が生じるのか、ということです。

次の章ではその疑問もふまえて解説していきたいと思います。

刷り部数、実売部数とは?

刷り部数とは実際に刷られた本の数を指します。別の言葉では発行部数と言います。
一方で、実売部数とは実際に店頭やWEBなどで売られた本の数を指します。

前の章で、刷り部数に対して印税が発生するのか、実売部数に対して印税が発生するのか、という問いがありました。

これに関して言えば、発行する前段階で、著者と出版社の間で決められることになります。
そしてこの取り決めには様々なケースがあるとされています。
それぞれ見ていきたいと思います。

・初版は発行部数の5%、重版になれば発行部数の8%の印税
これは初版と重版した際の印税が異なるケースです。
初版は「本の価格×発行部数×5%」となり、重版した分からは「本の価格×発行部数×8%」と計算されます。ポイントは実売部数ではなく、刷り部数に応じて印税が生じる点です。

・実売部数に対して12%の印税
刷り部数に応じてではなく、実際に売れた数である実売部数に応じて印税が入る場合です。売れた数に応じて印税が生じるので、あまり売れなかったら印税として入るお金は少なくなってしまいます。このケースでは12%の印税率が魅力的ではありますが、仮に実売部数が0冊の場合、もちろん印税収入は0円となってしまいます。
ですので、印税率が低くても刷り部数に応じて印税が生じる方が、収入が上がることも多いです。一概に印税率が高いから良いということではないので注意しなければなりません。

・初版にかかる印税は0%、重版した場合、刷り部数の12%の印税
この場合、重版されなければ印税は生じません。
現実として、重版される本というのはそれほど多いというわけではなく、たとえ重版されたとしても1回だけで終わるケースも非常に多いです。出版に関するデータを多数保有している大手出版社においてでも、重版確率は10%ほどと言われているので、今回のケースでは印税0円となってしまうことも多いです。

・実売部数に対して6%で、3千部保証
この場合、3千部は売れた扱いとして保証されていることとなります。実売部数が0冊で印税収入0円という事態を防ぐことはできます。
このように出版社によっては「保証部数」を設けているところもあります。

さいごに

今回は「商業出版の場合の印税は何%か?」というテーマで深堀していきました。

印税の相場や実際にどのようなしくみで印税が発生するかがわからなかった人も多かったと思います。
本記事を読むことで、商業出版する際の印税に関して明確にイメージできたのではないでしょうか。
一概に印税率が高ければいいのではなく、刷り部数や実売部数、そして初版や重版などで大きく印税収入が変わっていきます。
これから商業出版する予定のある人はこれらを頭に入れておくことが大切です。

以上、「商業出版の印税は何%?様々な印税収入のケースも合わせてご紹介!」でした。