出版市場の規模、推移

私たちの趣味の一つに読書というものがあげられます。読書が趣味の人にとって出版される数々の本は知識を得られ、楽しみ、本を読むことでストレスが軽減されることだってある娯楽といえる人もなかにはいるでしょう。

そんななかで出版業界の市場規模の現状は大変厳しくもあり、その厳しさからの脱却を図るべく試行錯誤しているさまざまな動向がみられています。

この記事では、出版市場の規模や、過去からの推移を見ていきます。

出版するなら紙?電子?市場規模への影響は?

出版業界は大きく分けて紙媒体、電子書籍がありますが、紙媒体の書籍や雑誌の市場規模推移は1996年の1兆1千億円をピークにこれまで年々減少傾向にあります。

減少の一途をたどる紙媒体に対して、電子書籍は少しずつではありますが増加傾向にあります。

なぜなら、インターネットの普及にともない、スマホやパソコン、タブレット等で容易に読書というものを楽しめるようになり、かつ知識も身に付けられるようになったことが理由にあげられます。

わざわざ書店で購入しなくても、無料雑誌や無料コミック、月額料が紙媒体の本一冊分ほどの値段でさまざまな書籍が読み放題など、まさにお得感も満載です。

では、もう少し詳しく媒体ごとの出版市場規模推移を見たとき、どのような傾向にあるのでしょうか。

出版市場規模における紙媒体の影響度

紙媒体といえば週刊誌、月刊誌、コミック誌、書籍、文庫本があります。

週刊誌

週刊誌は速報性重視の雑誌ではありますが、速報性でいえばインターネットにはかなわないのが事実です。スマホやパソコン、タブレット等の機器をちょっと操作するだけで週刊誌よりも早いスピードで情報入手が可能なのです。

紙媒体の売れ行きが減少傾向をたどっていく理由として十分な理由になります。

月刊誌

月刊誌にしてもやはり1996年のピーク時よりもここ数年で売れ行きが減少傾向にあるのが明らかとなっています。

そして減少傾向にある背景には、創刊部数よりも休刊部数が上回ってしまっている点が挙げられます。

創刊した分、売上につながるならまだしも、つながらないからこその休刊という策をとらざるを得ない状態に追い込まれたと考えてもおかしくはないでしょう。

若者向けの月刊紙は限られたものになり、その売り上げが多少あったとしても市場規模全体的には伸び悩んでいることに変わりはありません。

コミック誌

コミック誌も紙媒体での市場規模は低迷しています。大人気作品ともなれば映画やテレビでのアニメ、ドラマとして映像化がされ、それを機にさらなる爆発的なヒット作品としてコミック市場は問題ないようにも感じられるのではないでしょうか。

しかし爆発的ヒット作品として認められるのは、やはりごく一部の単行本に集中しているだけに過ぎません。

ごく一部の単行本の売れ行きが良くても、他のコミック誌全体の売れ行きに影響が及ぶわけではないため、ヒットに恵まれたコミックがあったとしても出版業界市場の規模は低迷状態にあるといえます。

書籍

書籍もコミック誌同様です。大人気作品が映像化され、さらなるヒット作品として世の中に知られ、一時は売上を伸ばします。

ところが、世の中がそれに飽きてしまえば売れ行きは一気に減少傾向を示し、そこからまた新たな爆発的ヒット作品が出てこなければ売れ行きが伸び悩むのが現状です。

そんななかでも、有名人の自己啓発本などは誰もが興味を持つ書籍ではあります。有名人であるからこそ面白おかしく感じ、つい手が伸びてしまうのも事実で売上につながってはいるようです。

他には、生活に関する実用書や児童本などは紙媒体のなかでも手堅く生き抜き、売れ行きに大きな差が出ないのは出版業界としても安心できるところはあるかもしれません。

文庫本

文庫本も売れ行きが減少の一途をたどるなか、2014年の消費税増税を機に一気に売れ行きがマイナスとなったのが現状です。

このマイナスは過去最大の売れ行きの急落となり出版業界の市場規模推移に大変大きな影響を及ぼしたことに間違いはありません。

紙媒体の文庫本に関しても有名な人気作家ともなれば売れ行きは上々ではありますが、名の知れた人気作家にも限りがあるのは確かです。

人気作家以外の文庫本の売れ行きが伸び悩む以上は市場規模が年々減少傾向をたどってしまうのは致し方ありません。

出版市場規模における電子書籍の影響度

紙媒体の市場規模が伸び悩む一方、電子書籍は増加傾向を保っているようです。

そもそも電子書籍とは何なのか、紙媒体との違いは何なのかを考えてみましょう。

電子書籍とは

先にも述べたようにインターネットの普及によりスマホやパソコン、タブレット等でのさまざまな本の閲覧が可能になりました。

それは閲覧のみではなく、購入することにも便利なのはいうまでもなく、書店とは違い24時間いつでもどこでも購入できるのは魅力の一つです。

紙媒体との違い

何といっても書店に行くという手間が省け、手元のスマホやパソコン、タブレット等の操作一つで本を選び購入することができるのです。

そして、まさに冒頭でも述べたように月額料が紙媒体の本一冊分ほどの値段で読み放題といったサービスやアプリ、さらにそれだけにとどまらず無料雑誌や無料コミックといった「無料」で知りたいこと、読みたいものが閲覧できてしまうお得感は紙媒体にはありません。

その他にも紙媒体であれば持ち歩くには限度があります。しかもズッシリとした重みが手元のみならず体に感じてしまいます。

ところが電子書籍にはそのようなことがありません。手元の機器に何冊もの本が入り、しかも機器の重みのみです。

その機器の重みすらも重量感を感じるほどのものではないため、手軽に持ち運べてちょっとした待ち時間にも選んで読むことができるという便利さも電子書籍ならではです。

販売価格

また、電子書籍は紙媒体と違い安く購入することも可能なことから、読書家にとっては販売価格も魅力の一つです。

必ずしも安く買えるのかといえば限りはありますが、紙媒体と違って安売りする期間があったり、期間に関係なく通常紙媒体の本を購入するよりも常に安くなっている場合もあります。

種類

電子書籍の種類も年々豊富に取り揃えられてきており、電子雑誌や電子コミック等、文字がメインの書籍や文庫本も大抵の種類は揃っています。

ましてやベストセラーとなった本や映像化されたことで爆発的にヒットした作品等は、作家との間に問題がなければ電子書籍で十分に購入、閲覧が可能であり、そのような人気作品が電子書籍にないというのもそうそうありません。

出版業界の市場規模拡大への期待

趣味や娯楽の一つともいえる読書ですが、出版業界の市場規模に今、大きな影響を与えるとすれば電子書籍がどこまで増加傾向をたどっていくかにもよるのではないでしょうか。

現段階では、若者が電子コミック等を手軽にダウンロードして読むことで電子書籍の市場規模が増加傾向にあるとはいえますが、紙媒体と電子書籍の市場規模を合わせてもコミック誌市場の規模も決して大きくはなく、出版業界としては電子書籍の市場規模はまだまだ小さく、市場全体で見れば苦しい状況であることは事実です。

出版業界の市場規模を少しずつでも回復させていくにはどうしたらいいのかという点は、

今後も大きな課題とされることに間違いはなく、必ずしもベストセラーや爆発的なヒット作品が次々と出てくるのかといえばその保証はありません。

ベストセラーやヒット作品が出た際には、その映像化によるさらなるヒット、そして紙媒体なり、電子書籍なり、出版業界としては売れ行きにつなげていきたいところではあるでしょう。

また若者からシニアまでの活字離れを防ぐべく、そして出版業界の市場規模推移を減少傾向から増加傾向に上げていくことは決して簡単なことではないでしょう。