
書籍概要
日本農業は、就農者の減少・高齢化、熟練農家の経験・技術の継承、低水準の食料自給率、気候変動の脅威等、様々な課題に直面しています。
こうした課題に対応する有力なソリューションにアグリテックがあります。もはや農業は、経験と勘に依存する手作業を中心とした時代の産業ではありません。
農業の現場では、AI、IoT、センサー、ドローン、クラウド、ビッグデータ、ロボティクス、モバイル、さらには人工衛星等を活用する動きが広がっています。
そして、こうした様々なテクノロジーのなかでも特にAIが農業に活用される動きがこのところ台頭しています。
アグリテクノロジーは、省力化、高品質化等による農業の生産性の向上だけではなく、フードチェーンを含めた農業の環境に与える負のインパクトを抑制して、先行きもサステナブルアグリを維持、促進することにあります。
また、アグリテックが実際に農業分野で活用されるためには、それを導入するためのファイナンスが円滑に行われることが不可欠となります。こうしたアグリファイナンスにも、ブロックチェーン等のフィンテックを導入するとか、アグリABLを活用するケースがみられています。
本書の特徴は、次の3点です。
① 農作業の雑草除去、病害虫駆除、灌漑、施肥、収穫等においてどのようにアグリAI等のテクノロジーが活用されているかを農作業のフェーズを追う形で述べている点。
② 机上論で終わることの無いよう、第Ⅰ部、第Ⅱ部共に豊富なCASE STUDYを組み込んでいる点。
③ 文中出てくるAI等のICT用語についてその都度、分かり易い解説を付した点。先行きもAIの導入等によりアグリDXが一段と展開していくことが期待されます。
著者紹介
可児滋
岐阜県出身
日本銀行入行・岡山支店長・検査局検査役・文書局長
東京金融先物取引所常任監事・シニアアドバイザー
東京証券取引所常任監事・常務理事
日本電気株式会社常勤顧問
日本証券アナリスト協会理事
大阪経済大学特別講師
拓殖大学大学院非常勤講師・客員教授
法政大学大学院客員教授
文教大学大学院非常勤講師
横浜商科大学商学部教授 等を歴任
CFA認定証券アナリスト(CFA)