著者名:市野道明
ジャンル:歴史・地理
発売日:2021/11/16
販売ページ:Amazon
書籍概要
有史以来、わが国は多くの国難に遭遇してきました。外敵の侵略に初めてさらされた蒙古襲来、黒船を契機にした明治維新、そして第二次世界大戦の敗戦は、大きな国難でありました。日清戦争や日露戦争も国の存亡をかけた大きな戦いでした。これらの国難に対して私たちの先達は、傑出した偉人のもとに、国民が心をひとつにして、その都度、国を守り抜いてきました。しかし、戦後76年を経たいま、再び、日本を揺るがす大きな国難が迫っています。
南シナ海、東シナ海における中国の覇権行為は、日本の安全を脅かす重大な脅威になっています。核心的利益と称して、尖閣諸島奪取の動きを強め、牙を研ぎ、今にも襲い掛かろうとする侵略行為は、まさに鎌倉時代の蒙古襲来を彷彿させます。
中国は台湾の支配を実現するため、武力行使も辞さない姿勢を鮮明にしており、いつ、台湾海峡で軍事的有事が勃発してもおかしくない状況にあります。これは台湾の問題にとどまらず、日本の安全保障にとって由々しき問題です。
アメリカと中国の覇権争いは世界を分断し、二超大国のかじ取り次第では、米中戦争を意識するほどの重大な局面に発展しかねません。それは冷戦の域を超えた武力衝突が、台湾海峡や東シナ海でのいざこざを契機に勃発し、インド太平洋まで拡大する世界戦争に近いものになるかもしれません。
このような世界状況のなか、近い将来、首都直下地震と南海トラフの巨大地震、首都水没、富士山の噴火という巨大災害がひっ迫している事実を知らなければなりません。これらの災害は未曽有の被害を日本にもたらすことになるでしょう。
戦争は人の知恵で避けることができても、天災は待ってはくれません。必ずやってくるのです。この国難を乗り越えることができなければ、日本は衰亡の道をたどることになります。しかし、日本の現状を俯瞰すると、まるで危機感のない、ダチョウの平和と揶揄される、薄っぺらな幸福感に酔いしれた、のどかな国民であると感じるのは私だけではありません。
目次
第一章 国が危ない「中国の脅威」
第二章 国が危ない「巨大災害」
第三章 元寇と立正安国論を思う
第四章 人類の大量虐殺と国家観
第五章 現代の時代相を考える
第六章 国のために立ち上がれ
第七章 天皇の存在
第八章 国を救う
第九章 日本は世界を救う
著者紹介
市野道明(いちの・みちあき)
工学博士(早稲田大学)。技術士(総合技術監理)。技術士(土質及び基礎)。技術士(建設環境)。技術士(下水道)。大手ゼネコン、総合建設コンサルタントにて要職を歴任。秋田大学大学院講師、東北学院大学講師。現在、東邦技術株式会社特別顧問、ジャパンテクノリサーチ技術士事務所代表、株式会社アイル相談役。著書『いま、日本の危機に問う』(幻冬舎)、『建設マネジメント(総合技術監理へのアプローチ)』(鹿島出版会)、『建設マネジメント(経営のわかる技術者を目指して)』(鹿島出版会)