出版祝いには何を贈る?

出版された方にお祝いを送りたい場合、どんなものが良いのでしょうか。またマナーなど、出版祝いを贈ることはそんなに頻繁にはないでしょうし戸惑ってしまう方も多いと思います。今回は出版祝いに関するマナーなどを考えていきたいと思います。

まず、出版祝いを考える前に忘れてはいけないことがあります。これは何のお祝いか?ということです。もちろん「出版」です。これが出産のお祝いでしたらお子さんを見て男女の違いやその可愛さを言葉にして褒めたりするでしょう。
それと同じで、出版物は作者の生み出した子供のようなものです。それも生命の奇跡とは対象になりませんが、一方ではそれより確率の低い、そして努力の必要なことです。奇跡だけで出版はできません。まずはその方の努力と苦労の末に生まれた大事な出版物をしっかり手にとって差し上げてください。できればそれをしっかり読んでください。そして、感想を伝えてあげてください。それが何より著者にとって嬉しいことであるはずです。子供を褒められて嫌がる親はいませんよね。

活字離れだなんて言葉もありますが、最近本を買う人が少なくなっています。そんな中で著者は売れるかな?という不安を持っているでしょうし、また書籍を発行するということは著者が誰かに伝えたいメッセージがたくさん詰まっているのだと思います。そのメッセージをきちんと受け取りましたと伝えてあげることが読者としての役割で、著者にとって嬉しいことではないでしょうか。
相手との距離が近い場合、お祝いのメッセージを贈る上で形式にとらわれず素直に感想文を送っても良いでしょう。上司や知り合いなどあまり親しく無い方へ失礼の無いお祝いをしたい場合はどうしたら良いでしょうか。

1)メッセージを贈る場合

きちんとした文章で著者にメッセージを贈る場合、どのような文章を送ったら良いのでしょうか。まずはマナーとして出版に関するお祝いの言葉を述べましょう。そこに書籍名も入っていると先方も形式だったものではなくきちんと手に取ってくれた上でのお祝いだと嬉しい気持ちになるはずです。
例えばそれが著者にとって初めての書籍だった場合はその出版に至るまでの努力を認めて称える文が入っているとより喜んでくれます。本を出版したいと思っても実際出版まで至る人はそう多くはありません。
時間が許されるのであればさっとその書籍に目を通して内容に触れること、そしてそのような知識がある著者の素晴らしさと、そのような本と出会えたことへの喜びも記載してあると尚相手の心に届くものになります。

2)お花を贈る

贈答品で悩まれる方は多いと思います。まず思いつくのはお花ですよね。特に出版パーティーなどのイベントがある場合はその会場に華を添える意味でもお花を贈ることは喜ばれるでしょう。アレンジメントのお花でしたらお店が直接会場に搬入してくれますし、友人と出し合って贈るのも良いでしょう。一般的に予算は、小さな会場の場合(書店などでサイン会をする際や小さなオフィス内での小パーティーなど)はだいたい5000円〜10000円ほどでアレンジしてもらえます。もし会場が大きなホテルなど広い場合は20000円くらいのアレンジをお願いした方が見栄えが良く喜ばれますし贈った側も飾られたものを見てがっかりすることはないでしょう。
パーティーなどで直接ご本人に手渡しでお花を贈る場合は花束にした方が受け取る側へも親切です。こちらも5000円ほどの予算があれば十分なボリュームの花束を贈ることができます。

3)オススメのプレゼント

お花以外でプレゼントを渡したい場合は何が良いでしょうか。
一昔前は万年筆を贈るのが主流でしたが、今はパソコンで原稿も書く時代になりましたし逆に万年筆を贈られても使わないと言う方も少なくないはずです。
最近流行っているのはフォトケーキです。これは誕生日会などでも多く使われていますが、写真をケーキの上にプリントしてくれるもの。書籍と著者をケーキにプリントしてパーティーなどでプレゼントすれば会場も盛り上がりますし、本人の好みがわからなくても手軽にプレゼントすることができます。
冷凍で届けてくれるものや、直接受け取れるものなどがあり値段も3000円代〜と様々あります。

またご自宅への贈り物で果物などを選ぶ方もいるようですが、もしそういう方が多くいたら貰った側は困ってしまいますよね。ご本人からの希望がない限りは生ものはできるだけ避けた方が良いでしょう。そしてお菓子などの食品を贈る場合はなるべく日持ちするものを選んであげましょう。個装されたお菓子などであればご自宅で食べきれなくてもその方が会社やご友人と分け合うこともできるでしょうし、お互いのためにも良いと思います。
しかし今度はお菓子と言っても何をあげたら良いのか?という問題が出てきます。ここでオススメしたいのが、ネットなどで人気があるアイシングクッキーです。これはお店によってオリジナルのものをつくってくれるところがあり、出産祝いや入学祝いなどでも喜ばれているものです。アイシングクッキーとはクッキー生地の上に砂糖や卵白で作られたクリームをデコレーションして固めたもの。見た目も色とりどりでオーダーすれば文字も入れてもらえます。もちろん味も保証されていますし、どこでも買える焼き菓子をもらうよりはオリジナルクッキーでお祝いされるのも少し変わった可愛らしい贈答品としてきっと喜んでもらえるでしょう。

食べ物はちょっと…という方、では紅茶などはいかがでしょうか。様々な紅茶専門店がオリジナルの紅茶(ブレンド)を作ってくれることはご存知かもしれませんが、パッケージまでオリジナルで作れるお店もあります!今回は出版のお祝いですので、書籍名とお祝いのメッセージが入ったパッケージなどでプレゼントをしたら喜んでもらえるでしょう。お店によっては写真なども入れてくれるところもあるようですので書籍のカバーなどを印刷したものにすれば良い記念品になります。この種類ではお酒でも応用できますので、相手の好みに合わせて変えてみてください。

4)じゃあ結局なにが一番いいの?

ここではとある有名作家さんが今までもらって一番嬉しかったプレゼントの話を紹介したいと思います。有名作家さんですから今まで色々な物をお祝いでいただいてきたでしょう。そんな有名作家さんが選んだ一番うれしかったものは何だったのでしょうか。
それは、自身の著書を購入した領収書だそうです。プレゼント用の予算があるのであればその予算分著書を購入して欲しい、そして領収書に書籍の名前と何冊分かを但し書に書いたものを封筒に入れてくれたら一番嬉しいと言っていました。確かに、著者はご自身の書籍が売れることが一番嬉しいことですし、それを証明する領収書がもらえることでこんなに買ってもらえたんだと実感することができる一番手っ取り早い方法でもあります。プレゼントをするお金があるなら本を買ってくれ、というストレートな想いからこのようなお話をされたのかもしれません。
贈る側としては気持ちの面でかなりハードルの高い贈り物になりますが、もし著者に何か欲しいものは?と聞いて「何もいらないから是非本を読んで欲しい」などという回答があった場合にはこの領収書を贈るのも一つの方法としてとても良いものだと思います。数冊分あるのなら尚更、内容が良かったので友人知人に配ったというメッセージが添えられていたら著者は心から喜んでくれるでしょう。

出版祝いというと急に構えてしまう方が多いようですが、趣旨を忘れずお祝いの気持ちをシンプルに伝えられるものを選ぶ事が大切です。