「素顔の日本」を発売


書籍タイトル:素顔の日本
著者名:小山 嘉昭
ジャンル:ビジネス・教養
発売日:2019/6/30
販売ページ:Amazon

著者コメント

あらすじ

本書では,まず日本の過去を概観する代表例として日本の敗戦の記録と高度経済成長が取り上げられている。 記憶の風化はあるにしてもやはりこの2点は今日の日本の原点中の原点として位置づけられる。敗戦の記録では太平洋戦争が何故避けられなかったのか、また日本の高度経済成長ではその経済成長の要因が詳細に、かつ包括的に説明されている 。
次に国土とか土地、住宅、都市といった日本のインフラ・ストラクチャーが取り上げられている。日本の国土の特徴をどう捉えるべきかについてはいろいろな意見があろうが一つの立場からの解釈が提示されている。次に、自然環境基盤とも言うべき土、水、森、海について個別に言及されている。このような項目の立て方は珍しいと思われる。その中で海の項目については 日本を海洋国家であると位置づけている。
続いて,生活基盤である食料、資源エネルギーが概観されている。食料については 我が国の食料自給率が極めて低いこと、バーチャル・ウォーターという特殊な問題を抱えていることなどが記述されている。
転じて、日本のソフトウェア基盤とも言うべき科学技術、芸術・文化、スポーツ、宗教、 言語の5項目についてその特徴が述べられている。特に日本語という言語が世界のなかでは孤立した言語であるだけに国際交流、各国の人々とコミュニケーションを取ることがかなり困難な状況にあることなどが率直に述べられている。
日本の経済的な側面について市場、金融資産、経済資産に分けて紹介されている。我が国の金融資産は例えば対外純資産が世界一の規模を誇るなどの事実は国民の間で意外に知られていないのではなかろうか。
最後にあらゆる意味で現実のプレイヤーとも言うべき存在であリ、諸作用の基本的な単位ともいうべき、人、会社、国家について日本の世界における位置づけの概要が明らかにされている。特に国家については 国家概念が世界的に大きく変貌を遂げている中にあって我が国をどのように位置づけるかは極めて大きな問題である。
そして本書のエピローグとして、ダボス会議を主催する世界経済フォーラム(WEF)の日本についての調査概要を客観的に紹介して締めくくりとしている。
本書は一貫して日本という国の実像に少しでも迫まろうという意図をもって記述されたものである。

著者紹介

小山 嘉昭(こやま よしあき)
1942年生まれ 神奈川県出身
1966年 東京大学法学部卒 
同年 大蔵省(現 財務省)に入省。
在英国大使館書記官、大蔵省大臣官房審議官、日本銀行政策委員、駐ルーマニア大使(1996年12月~99年12月)。
その後、日本銀行監事、全国信用協同組合連合会理事長。
現在は、片岡総合法律事務所 特別顧問。
主要著書
 「日本の経済力」(2003年 金融財政事情研究会)
 「考えるヒント」(2011年 金融財政事情研究会)
 「銀行法」(1992年 大蔵財務協会)
 「銀行法精義」(2018年 金融財政事情研究会)

若い時に家族とともに3年間を外国(イギリス)で過ごし、また、人生が黄昏どきにさしかかった50歳代に再びヨーロッパの地に戻り、ルーマニア大使として日本の外交活動の一端を担った。
大蔵省の現役時代は長らく我が国の金融制度改革の仕事に従事した。昭和56年の銀行法全面改正に携わったのが最大の思い出である。その時の経験などをもとに「詳解銀行法」など一連の著書を出版したがそれらは金融法を専攻する学生や金融界に身を置く人たちの間で広く、深く読まれることとなった。
すべては生々流転していくというのが人生の実感である。仕事とは、結局、正しく予見することにあると思う。そのためには常に地道な現状分析を怠ることはできない。