
書籍概要
親もいない。服も靴もない。鉛筆もノートも買えない――
でも、勉強すればこの人生を変えられる――
途上国の孤児院の子ども達が、勉強の力を信じ、猛勉強の末に夢をつかんだ実話。
スラムにある古い孤児院では満足な食事もとれない環境の中でも、子どもたちは目を輝かせて将来の夢をはっきりと語ってくれる。
「学校の先生になりたい!」「弁護士になりたい!」「警察!」「医者!」・・。
子ども達に魅了され、訪問を重ねるうちに、「孤児院の代表になってほしい」との頼みを引き受けることになった著者。
「スラムを脱して将来は自立する」―― 子ども達と目標を共有し、事業の経験を活かし、村の幼稚園と学習塾との連携、小中学校・高校との関係を強化。職業訓練施設を設け、パン屋を開業。村長や行政との協力関係を築きながら、児童保護から就職までを一貫して支える環境を整備していく。そしてついに、1人の少年が猛勉強の末に、日本企業への就職を実現。その姿に続き、さらに4人が日本での自立を果たす。
貧困は残酷です。目先の生活費のために、小学校へも行かせてもらえず、過酷な児童労働を強いられる子ども達。幼いうちに売られてしまう少女はどれだけの恐怖でしょう。幼い弟と妹を養うために、土の上に膝を付け、何度も頭を下げて、お金をねだり、自分の体よりも大きなふくろをかついで売れそうなゴミを拾って生きている子ども達。
日本では、家どころか自分の部屋がある子も多いことでしょう。ノートや鉛筆は揃っていて、服や靴がないから裸や裸足でいる子供もほとんどいないでしょう。働かずに学校へ通えることはあまりにも当たり前のことです。電気、水道、トイレが使えて、給食や遠足があって、学校のあとに習い事ができる。これらは世界では決して当たり前ではありません。
途上国の過酷な環境の中、将来の目標をしっかりと持ち、努力を続け、笑顔と感謝を忘れない子ども達。その姿から日本の当たり前を見直し、学べることがあるのではないでしょうか?
こどもにかかわるすべての大人に、そしてこども達自身に読んでほしい一冊です。
『感謝の心』『生きる力』を、途上国のこども達から教えてもらえた気がします。
著者紹介
斉藤興仁 (さいとう こうじん)
一般財団法人CHANGアジアの子供財団 会長
2014年から、東南アジアの子ども達の貧困や教育問題に取り組む。
カンボジアのスラムでは、孤児院、児童センター、幼稚園、学習塾、IT教室、日本語学校を運営。タイでは現地の福祉教育機関と協働し、発達障がい児の成長に効果がある知育教育の研究および普及に取り組んでいる。ラオスでは幼稚園と小学校を建設し、運営をサポート。ベトナムでは重度障がい児の身体機能の維持・向上を目的とした運動教室を提供している。
国内外で事業を経営する傍ら、日本の子ども達に向けては、外国の文化を学び、世界で起きている問題を考える「子ども地球大学」を主催し、行政や小学校、児童施設からの委託も受け、授業を行っている。
埼玉親善大使。埼玉グローバル賞、社会貢献者表彰を受賞。
