「狼犬・ソックス」を発売


書籍タイトル:狼犬・ソックス
著者名:二郷 半二
ジャンル:文学・評論
発売日:2021/1/11
販売ページ:Amazon

藤女子大学 新井良夫名誉教授推薦!

最初に作品名「狼犬・ソックス」という聞きなれない言葉に違和感を覚えた。
読み進んでいくうちに、この「狼犬」という言葉に深い意味が潜んでいることに気付かされる。
そして自然は、裏切られても自然の摂理に沿う生き物には優しく寛容だ、という作品の大きなテーマの一つが、まさにこの「狼犬」という言葉に込められていることを読後に知らされる。
人間の欲のために「狼犬」は作り出された。が、欲のために生みだされたソックスは、人を恨むことなく、病をいやす優しい存在として、命を救われたショーンの母親マギーに必死で尽くす。
またマギーの愛情にこたえるために、一人息子のショーンを、命をかけて守り通す、その純粋な姿が涙と感動を呼び起こす。
同時にこの作品は、マギー、ショーン母子の生きざまを通して、人間の強欲が自然の持つ寛容さの限界を越えようとしている、現在の深刻な状況に、どう向き合うべきか… …、
鋭く光るナイフのように私たちに迫ってくる。
種の違い、時の流れを超えた愛情、家族のきずなを縦糸に、積年の環境破壊に苦しむ自然の叫びを横糸にして紡がれた、世界の人々に読んでほしい珠玉の文学作品になっている。

書籍概要

環境破壊の現実をより具体化するために、物語の起点を1960-70年代に置き、その時点で環境への意識が欠如していた国際社会がもたらした結果として、約50年後の現在の深刻な状況を描く。
そこはかとなく初秋に匂いたつ金木犀(きんもくせい)の香りのように、この作品には自然主義の思想が作品全編にわたりゆっくりと流れています。
その流れを背景にして、母と子の愛情、母子と狼犬との心の交流そして自分の命を賭(と)しても母子を守りぬこうとする、狼犬の情愛を中心に物語は進んでゆく。

著者紹介

大手総合商社、大手重工メーカーを退職後、貿易会社を経営しながら
複数の一部上場企業及び海外官庁のコンサルタントを兼任する。
海外生活はカナダでの社会人生活を含め20数年に及ぶ。
2008年以降は仕事をコンサルタント及び現地エージェントに特化し現在に至る。
著書
『裏金』(2015年、文藝書房)
『修羅の大地―闇に潜みし政商たち』(2016年、文藝書房)
『歌舞伎町四畳半ものがたり』(2017年、文藝書房)
『エターナルバーレーの狼』(社)全国学校図書館協議会選定図書(2019年、文芸社)