「蒼い段廊」を発売


書籍タイトル:蒼い段廊
著者名:山岸未紗子
ジャンル:文学・評論 > 小説・文芸
発売日:2017/7/30
販売ページ:Amazon

著者コメント

あらすじ

いつもと少しだけ違う風景にであってみたい。
明日はどんな日になるのだろう?
ふと思ったときにそっと覗いてみてください。
道端に咲く小さな花に目がとまるように……。

微生物の研究者である篠田志郎は、ある日研究発表の会議の合間に近くにあった『蒼美術館』というところに立ち寄る。そこで写真を撮られていた一人の女性を見かけるが、その女性(柏木章)は20年程前に篠田が通勤の地下鉄の
中でよく出会ったことのある篠田が心密かに思いを寄せていた若い女性によく似ていることに気づく。
 その女性は『蒼美術館』に飾られていた海の絵の作者だった。しかし、その柏木章という女流画家は2年前に亡くなっていた。
「私は幻を見たということなのか」と篠田は懊悩するが、その後もたびたびその柏木章は篠田の前に姿を現す。そしてその柏木章は、篠田が20年前に出会った女性は「もうひとりのわたくし」だと言う。
やがて篠田自身も微妙に違っている自身のコピーとなって、その「もうひとりのわたくし」と名乗る向田章と、今までいた世界とは別の隣合わさる世界で共に生活することとなっていく。
 篠田は二人の女性に翻弄されながらもその中に5歳のときに家を出た母親の姿を見つけて愕然とする。解き放たれることのない母親に対する思慕の念と嫌悪の感情が重なるようにこの現実の世界ともう一つの世界を交錯してゆく。

著者紹介

愛知県に生まれる。銀行・会計事務所勤務を経て家庭に入り、家事の傍ら独学で以前より描いていた絵画や陶器の絵付け、創作ジュエリーの制作を行っている。
文章を書くという行為とは無縁の生活をしていたが、数年前にふとしたことから小説や童話、絵本を書き始める。
趣味・・・・・空想・妄想・もの作り
名古屋市在住。